Books

満員電車の一通の友達申請から始まる、17年越しの恋の記憶

満員電車の一通の友達申請から始まる、17年越しの恋の記憶

43歳になった主人公が、17年前に別れた恋人との記憶と向き合うラブストーリー。満員電車で送ってしまったFacebookのAmazon申請をきっかけに、忘れたつもりだった青春が静かに動き出す一冊です。

43歳になった主人公が、17年前に別れた大切な恋人との記憶を軸に「あの頃」と向き合っていく、じんわりと胸に沁みるラブストーリーです。年齢を重ねて日常に追われるようになった今だからこそ見えてくる、過去の輝きと痛みが丁寧に描かれています。

きっかけは、なんでもない満員電車での出来事。うっかりスマートフォンを操作していて、元恋人にFacebookの友達申請を送ってしまうという、誰にでも起こりうるような些細なミスです。けれどそのひとつのタップが、長い間心の奥にしまい込んでいたはずの過去を、再びゆっくりと動かし始めます。忘れたつもりでいたのに、実は何も終わっていなかったのだと気づかされる、そんな導入部が印象的です。

物語は、夢もお金も手に職もない「今」と、かつて誰よりもまぶしく輝いて見えた「青春」の間を行き来しながら進んでいきます。特に印象的なのは、単なる甘い思い出話ではなく、「自分よりも好きになってしまった人」への複雑な感情が丁寧にすくい取られている点です。誰かを好きになりすぎてしまったことのある人なら、きっとどこかで胸が締めつけられるような感覚を覚えるはずです。

過去の恋愛や、もう戻れないあの頃の青春をふと思い出したくなった夜に、少し切なくなりながらもページをめくる手が止まらなくなる一冊だと思います。気になった方はAmazon.co.jpで手に取ることができますので、静かな時間にぜひ読んでみてください。